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各年代から人気を誇る“ハリスツイード”

 

 

ざっくり感が魅力的なツイードは、男性用・女性用にもジャケットやコートに使われ、スーツにも人気が高いテキスタイル。エレガンスでありながら、カジュアルなエッセンスを取り入れファッションの表現の幅を豊かにしてくれる素材で、多くのブランドやデザイナーはもちろんのこと、世界中のファッションリーダーから支持を得ています。

 

 

 

ハリスツイードの伝統や歴史をご紹介します。

 

 

 

ハリスツイードの魅力

地域性こそがツイードの魅力!

 

 

“ハリスツイード=単なるイギリスの生地メーカー”という認識は正しくないと言われています。

 

 

「 生地メーカーというと大規模工場で一括生産しているイメージが強いですが、ハリスツイードの場合は、スコットランド北西部の島、ハリス&ルイス島の島民たちが自らの家の織機で、生地を織るホームスパン。そして完成した生地を“ハリスツイード協会”という団体を通して、ハリスツイードというブランド名で世に出しているわけです。日本でいうと有名ブランドの米作りに近いですね。日本ではハリスだけが突出して有名ですが、アイルランドの“ドニゴルツイード”など、ツイードにはほかにもたくさんの産地があります。そんな地域性こそがツイードの魅力ですね」

 

 

 

その中でなぜハリスツイードだけが突出して有名なのでしょうか?

 

 

「現在は協会が厳しく品質を管理していますが、いっとき大量生産品が世に出回ったことで、逆に世界中にその名が広まったという点はあります。しかし、やはりその魅力は豊かなストーリー性と、生地の質実剛健な雰囲気に尽きるでしょう。以前、ハリス&ルイス島に視察に行ったときは、いまだに人力織機を使って生地を織っており、昔とほぼ同じ製法を守っていたことに驚いたものです。最近主流のハリスツイードは1メートルあたり400gの“スーパーファイン”というものですが、それでも十分すぎる重厚感。昔の英国ではいちばん軽い“フェザーウェイト”でも480gでしたから、まさに一生ものです」